ヒビの入ったリテーナーそのものを型として、同じ形の新しいリテーナーを正確に作れるとは限りません。一般的には、保存済みの歯型・模型・口腔内スキャンデータを利用するか、現在の歯並びから新しい歯型を取得して作製します。ヒビが入った状態で使い続けると破損が広がる可能性があるため、接着剤や熱で自分で直さず、製作元や歯科医院へ早めに相談しましょう。
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リテーナーにヒビが入り、「これを送れば同じものを作ってもらえるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
結論からいうと、ヒビの入ったリテーナーそのものを型として、新しいリテーナーを正確に作れるとは限りません。一般的には、以前保存した歯型・模型・口腔内スキャンデータを利用するか、現在の歯並びから新しく歯型を取得して作製します。
小さなヒビに見えても、リテーナーが変形していたり、歯が動いて以前の歯型と合わなくなっていたりする場合があります。接着剤や熱を使って自分で修理せず、まずはリテーナーの製作元または歯科医院へ相談してください。
この記事では、ヒビの入ったリテーナーから直接作り直すのが難しい理由、再作製に使える情報、相談前に確認したいポイントを解説します。
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結論:ヒビの入ったリテーナーだけでは作製できない場合があります
新しいリテーナーを作るときに基準となるのは、基本的に保定したい歯並びを記録した歯型・模型・スキャンデータです。
リテーナーは歯型そのものではなく、その歯型に合わせて作られた装置です。しかも、ヒビが入ったリテーナーには次のような変化が生じている可能性があります。
ヒビの周囲が広がっている
一部が反っている、またはねじれている
歯に接する部分がすり減っている
長期間の使用により装着感が変わっている
破損前とは形がわずかに異なっている
そのため、壊れたリテーナーの形をそのまま複製しても、現在の歯並びに適合するとは限りません。実際にどの方法で再作製できるかは、リテーナーの種類、破損状態、保存されている歯型の有無、現在の歯並びによって異なります。
まず製作元に連絡し、保存済みの歯型やデータが残っているかを確認することが最初の一歩です。
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新しいリテーナーを作る主な方法
再作製の方法は、大きく分けると次の3つです。ただし、どの方法を選べるかは製作元や歯科医院の判断によります。
| 方法 | 確認したいこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 保存済みの歯型・模型を使う | 歯型が残っているか、再利用できる状態か | 現在の歯並びが当時から変わっていると合わない場合がある |
| 保存済みのスキャンデータを使う | データが保管されているか、再作製に利用できるか | 保管期間や利用条件は製作元によって異なる |
| 現在の歯並びから新しく歯型を取る | 歯の移動や噛み合わせの変化がないか | 状態によっては先に歯科医師の確認が必要 |
ヒビの入った現物も捨てずに保管してください。 新しいリテーナーの直接的な型として使えなくても、種類、厚み、破損箇所、摩耗状態などを製作元が確認するための参考になることがあります。
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ヒビの入ったリテーナーをそのまま型にしにくい理由
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リテーナーは歯型ではないため
透明なリテーナーは歯列に沿った形をしていますが、それ自体が歯の形を正確に記録した模型とは限りません。使用による摩耗や変形も加わるため、作製時の基準として十分かどうかは専門的な確認が必要です。
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ヒビによって形が変わることがあるため
ヒビが入ると、破損部分を境にリテーナーが開いたり、力をかけたときだけ形がずれたりすることがあります。見た目では小さな亀裂でも、装着時の安定性に影響する可能性があります。
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現在の歯並びと一致しないことがあるため
リテーナーは矯正後の歯並びを保つために使われます。装着できない期間があった場合や、以前から浮き・きつさがあった場合は、歯が移動している可能性も考えられます。
古い形だけを基準に作ると、現在の歯並びに合わない場合があります。無理なく装着できるかどうかだけでなく、噛み合わせや歯の状態も含めた確認が必要です。
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相談前に確認しておきたい5つのポイント
製作元や歯科医院へ連絡する前に、次の内容を整理しておくと状況を伝えやすくなります。
1. どこにヒビが入ったか
前歯側、奥歯側、縁の部分など、破損箇所を確認します。
2. 完全に割れているか
亀裂だけなのか、二つ以上に分かれているのかを確認します。
3. 無理なく装着できるか
装着できない、浮く、以前より強く締め付けられる場合は、無理に押し込まないでください。
4. 痛みや出血がないか
尖った破損面が口の中に当たる場合や、強い痛み・出血がある場合は使用を中止して歯科医院へ相談します。
5. 製作時の情報が残っているか
製作した歯科医院や事業者、注文時期、注文番号、歯型を取った時期などを確認します。
写真で確認してもらえる場合に備え、ヒビの部分、リテーナー全体、上下の区別が分かる写真を撮っておくのも一案です。ただし、写真だけで適合状態や口の中の状態を判断できるとは限りません。
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今すぐ行いたい対処手順
ヒビを見つけたら、次の順番で対応してください。
1. 破損したリテーナーを無理に曲げない
2. 外れた破片があれば一緒に保管する
3. 水で軽く洗い、水分を取ってケースに入れる
4. 製作元へ保存済みの歯型・模型・データの有無を確認する
5. 装着できない、痛い、歯が動いたように感じる場合は歯科医院へ相談する
使用を続けてよいかは、ヒビの位置や大きさ、変形の有無によって異なります。自己判断で長期間使い続けるのではなく、製作元または歯科医院の案内を受けてください。
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自分で接着・補修するのは避けてください
市販の接着剤でヒビを埋めたり、熱湯やドライヤーで形を整えたりすることは避けましょう。
家庭用の接着剤は、口の中で使用することを前提としていない場合があります。また、接着部分の厚みでリテーナーが合わなくなったり、熱で変形したりする可能性もあります。
次のような対応もおすすめできません。
瞬間接着剤で固定する
テープを貼ったまま装着する
熱湯につけて形を戻す
やすりや刃物で削る
割れた部分を指で何度も曲げる
合わない状態で強く噛み込む
一時的に形が戻ったように見えても、適合しているとは判断できません。破損状態を変えずに保管し、相談時に見せられるようにしておきましょう。
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歯型が保存されている場合も確認が必要です
保存済みの歯型やスキャンデータがあれば、再作製に利用できる場合があります。ただし、「保存されている=そのまま作れる」とは限りません。
確認が必要な理由は次のとおりです。
歯型や模型に欠け・変形がある場合がある
保存期間が製作元ごとに異なる
データの再利用条件が異なる
歯型を取った後に歯並びが変化している可能性がある
詰め物や被せ物など、歯の形に変化がある場合がある
注文時期や氏名だけで確認できることもありますが、必要な情報は製作元によって異なります。以前の注文番号や連絡先が分かる場合は用意しておきましょう。
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歯型が残っていない場合は新しい型が必要になることがあります
以前の歯型・模型・スキャンデータがない場合は、現在の歯並びから新しく歯型を取得する方法が検討されます。
ただし、歯が大きく動いたように見える、噛み合わせが変わった、リテーナーが入らないといった場合は、単に現在の歯並びで新しいリテーナーを作ればよいとは限りません。矯正後の状態や今後の保定方法について、先に矯正治療を受けた歯科医院へ相談したほうがよい場合があります。
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歯科医院へ早めに相談したいケース
次の状態がある場合は、破損したリテーナーの使用や再作製を自己判断で進めず、歯科医院へ相談してください。
リテーナーを装着できない
装着すると強い痛みがある
歯ぐきや頬、舌に当たり、出血や傷がある
噛み合わせに大きな違和感がある
歯が大きく動いたように見える
リテーナーが大きく割れた、または変形している
金属部分が外れた、飛び出した
破片を飲み込んだ、または気道に入った可能性がある
自分では使用を続けてよいか判断できない
破片を飲み込んだ可能性があり、息苦しさ、激しいせき、胸の違和感などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
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よくある質問
Q. 小さなヒビなら、そのまま使ってもよいですか?
ヒビの大きさだけでは判断できません。装着時にヒビが広がる、尖った部分が口の中に当たる、全体が変形しているといった場合があります。使用継続の可否は製作元または歯科医院へ確認してください。
Q. ヒビの入ったリテーナーは捨ててもよいですか?
再作製方法が決まるまでは捨てずに保管しましょう。新しいリテーナーの型として利用できなくても、種類や破損状態を確認する参考になる場合があります。外れた破片もあれば一緒に保管してください。
Q. 以前の歯型があれば同じリテーナーを作れますか?
再作製できる場合はありますが、歯型の保存状態や現在の歯並びによります。以前よりリテーナーがきつい、浮く、入らない場合は、古い歯型が現在の状態と一致していない可能性があるため確認が必要です。
Q. ヒビの部分だけ修理できますか?
材質、破損箇所、変形の有無によって対応が異なります。修理の可否は製作元や歯科医院に確認してください。家庭用接着剤などを使った自己修理は避けましょう。
Q. 新しいリテーナーができるまで古いものを装着すべきですか?
一律には判断できません。無理なく装着でき、口の中を傷つけない状態でも、ヒビが広がる可能性があります。反対に、装着できない、痛い、変形している場合は無理に使用しないでください。製作元または歯科医院へ早めに連絡し、個別の案内を受けましょう。
Q. 歯型を取った歯科医院が分からない場合はどうすればよいですか?
注文履歴、メール、領収書、リテーナーのケースなどを確認してみましょう。製作元を特定できない場合や歯型が残っていない場合は、歯科医院で現在の歯並びを確認し、新しい歯型の取得について相談する方法があります。
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まとめ
ヒビの入ったリテーナーそのものから、新しいリテーナーを正確に作れるとは限りません。一般的には、保存済みの歯型・模型・スキャンデータを利用するか、現在の歯並びから新しい歯型を取得します。
対応は次の順で進めましょう。
破損したリテーナーと破片を捨てずに保管する
接着剤や熱を使って自分で修理しない
製作元へ歯型・模型・データが残っているか確認する
入らない、痛い、歯が動いたように感じる場合は歯科医院へ相談する
強い痛み、出血、噛み合わせの異常、大きな破損がある場合は使用を続けない
ヒビが小さく見えても、装着時に破損が広がる可能性があります。現在の状態を変えずにケースへ保管し、できるだけ早めに製作元または歯科医院へ相談してください。
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用語集
リテーナー(保定装置):
矯正治療後の歯並びを安定させるために使用する装置です。透明なマウスピース型、金属線を使うタイプ、歯の裏側に固定するタイプなどがあります。
歯型:
歯や歯ぐきの形を記録したものです。材料を使って採取する方法のほか、口腔内スキャナーでデジタルデータとして記録する方法があります。
口腔内スキャンデータ:
専用の機器で歯並びや口の中の形を読み取り、デジタル化した情報です。保管や再利用の可否は歯科医院・事業者によって異なります。
保定:
矯正治療で動かした歯の位置を安定させるため、リテーナーなどを使用して経過を見ることです。
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免責事項
本記事は、マウスピースや口腔ケアに関する一般的な情報提供を目的としており、歯科医師による診断・治療・個別の医療上の助言に代わるものではありません。
歯や歯ぐきの状態、歯並び、噛み合わせ、治療歴などには個人差があります。強い痛み、出血、腫れ、装着時の強い違和感、歯並びや噛み合わせの変化などがある場合は、自己判断を避け、歯科医師へご相談ください。
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受診・相談の目安
ひび割れ、変形、装着時の痛み、フィット感の大きな変化がある場合は、使用を続けず作製元または歯科医院へ相談してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代替となるものではありません。製品の取扱説明および歯科医師・歯科衛生士の指示を優先してください。